昨日からの続き。『春麗の淡き光に』の話。

 この物語のなにがいけない、って、いちばん壊れてる要因は、「主役の薄さ」だと思う。
 主役がなにをしたいのか、どんな人なのかが、見えてこない。
 あのさー、作者はそりゃ、主役がどんな人なのかわかってるよ。だって自分が作ってるんだもん。でもな、観客にはな、説明しなきゃわかんないのよ? 作者のアタマの中だけでわかってたって、意味ないよ。

 まず、「主役」に注目する。「主役」を活かすことだけを考えて、物語を組み直すんだ。

 主役は、今の腐った世の中を憂い、新しい時代を求める正義感の強い青年である。
 彼には、彼の志を理解する親友がいる。
 彼には、彼と相愛の恋人がいる。

 これだけの情報を、まず観客に示すのだ。

 勧学院つーんですか? のシーンからはじめるんだ。主役と親友が共に「夢」を「理想」を語るシーンは必須。彼らがどれだけラヴラヴか……失礼、信頼し合っているかを、印象づけるのだ。
 現在の世の中に危機感を持つ主役、いずれ武士の世にしてみせると語る、武門の家に生まれた親友。キャラを立てろ。線の細いインテリ貴族の主役と、細身だが武人なんだぞの親友と。
 ちゃんと伏線を「エピソード」として表現してくれ。「説明台詞」で流すなんて最悪だ。
 そこに、親友の妹のヒロイン登場。ヅカの定番、一目惚れでいいから、ふたりにエピソードを。

 これだけのシーンを挿入するだけでいいんだよ。
 あとは、そのままでいいよ。
 悪役大臣の屋敷に盗賊「朱天童子」として押し入る主役、悪役大臣の手下となっている、親友。冒頭のシーンそのままでよし。ふたりの視線が一瞬絡むとか、ちらりと刀を交えるとか、わずかに付け加えるだけでいい。いいシーンになるじゃないか。
 朱天童子の正体が恋人ではないかと心配して取り乱すヒロインも、これで説得力ができるだろ?

 主役弟のエピソードは削除。意味なし。
 たんにあれって、トップスターの二役をたのしんでね♪的な、ただのお遊び、サービスでしょ? 昔はそんなもんがサービスだったのかもしれんが、現代ではお寒いだけ。いらん。

 そんなもんに時間を割くなら、主役と親友とヒロインの葛藤のシーンを入れろ。
 実際に会って「なぜこんなことを?!」「時代を変えるためだ」てなやりとりをしてくれ。
 こんなことをしても時代はかわらないかもしれない、でも、今の時代に一石を投じる行為なのだ、てな主義主張を明確に表現する。
 あくまでも「主役」が「なにをしたいのか」「どんな人なのか」を描きつづけるのだ。それがいちばん。それが最優先。
 コム姫なら、繊細に苦悩してくれれば、それだけで絵になるってもん。
 主役がなにをしたい/している、かをはっきりとわかったうえで、親友とヒロインもまた、自分の生き方を決めるわけだ。彼を否定するか、ついていくか。

 この三人の葛藤があったからこそ、野に下った主役は「自分ひとりでは新しい時代を作るのは無理かもしれない……」と思うよーになるわけだ。
 復讐に燃えるライバル強襲! のシーンとかもそのままでよし。
 悪役大臣の命で、親友が主役を討ちに来るのも、そのままでよし。
 つーか、主役と親友の絆をなんにも描かずにあのラストに持っていくから、壊れてんだよ。説明台詞で「親友だった」とか言われて、それたけで観客が納得すると思うなよ。……なんか、している人も多いみたいだけど、わたしはできん。

 立ち位置がはっきりしているから、主役はヒロインを捨てるし、ヒロインはそれでも主役について行こうとするし。そう、ヒロイン、家なんか飛び出せ。なにもせずに脇でぎゃーぎゃー言うだけじゃ意味がなさすぎる。
 覚悟を歌え。家も親兄弟も捨てて、逆賊の女として生きる、と。銀橋で一発歌って、主役を追って大江山へ行け。

 もちろん、物語は変わらない。植田のまんまのあのラストさ。
 主役は次代を親友に託し、親友は主役を殺したことにして逃がしてやり。
 なにも知らないヒロインは、命がけでやってきただけに悲劇性UPで観客の涙を誘え。

 わたしはあくまでも、『春麗の淡き光に』の改定案の話をしているわけだ。
 わたしはこの芝居を見て、うわ駄作、ぶっ壊れてる、と思った。
 んじゃ、こいつをどうすれば、「壊れている」部分を補修できるかな?
 とゆー観点で考えてみた。
 だから、本筋もシーンももとのまま。
 まったく別の話にしたら、意味ないもんね。できるだけ、もとの姿のまま、できあがっている部分は手を加えずに。
 ただ、「主役のキャラを立てる」という一点にのみ焦点を合わせ、冒頭にシーンをひとつ付け加え、二役である弟のくだりを削除、主役+親友+ヒロインの「キャラを立てる」シーンに差し替える。
 たったこれだけのことで、物語が正常になる。
 ……と、言っているわけだな。

 えらそーに語っていて「何様?!」だが、これはそーゆー日記なのだ(笑)。

 せっかくホモな話なのにさ。
 親友がラストまで出番ないし、親友たる由縁も台詞で解説されてるだけなんだもん。
 もったいないっつーの。

 ただでさえ、かっしー薄いんだよ?! いや、髪の毛の話じゃなく。

 途中まで、かっしー、いてもいなくても同じ、透明人間、見えてない人みたいなんだもんよ。
 ハマコが二番手じゃまずいだろ。がんばれかっしー、負けるなかっしー。
 ああ、わたしはいつもかっしーの応援ばかりしている気がする。だってかっしー、いつもいつも歯がゆいんだもん。

 腐女子的に解説するならばこの『春麗の淡き光に』というのは、「コム姫モテモテ!! コム姫争奪戦物語」と簡単に言ってしまえます。
 いちばんわかりやすく「コム姫ラ〜ヴ」と言っているのはライバル・ハマコですが、ひねくれ者の仲間・みやたんも負けてません。みやたんは、好きな子をいじめることで歓心を買おうとするタイプの男です。
 正統派のダーリンは親友かしげでしょう。「お前の手にかかって死にたい」とコム姫に言われ、めろめろりん。
 さあ、コム姫は誰の手に?!
 ……どーやら最終的には、お頭命のしいちゃん兄貴のものになったよーです。
 しいちゃんはオイシイ役で、コム姫の片腕です。しい×コムならば上官受の部下攻、みんなが大好き下克上、ってやつですが、いかんせんしいちゃんには色気がなさすぎ。なんであんたはそー、「いい人っ」「体育会系っ」を全開にしてるかな……ちっ。

 これが植田ではなく谷演出なら、もっとねちこくホモになっていたかもしれないと思うと、ちと悔やまれます(笑)。

 まあなんにせよ、駄作でした。
 眠い……。
 コム姫、日本物の化粧似合わねー。つーか真ん中が似合わな……げふんげふん。

 ハマコにおなかいっぱい。
 ……てゆー、芝居。それもいかがなものか……。

          ☆

 んでもって、ショーの感想を書くだけの、文字数あるかなあ?

 明日にでもまた、追記しませう。わたしは今、ずっぽりハマコファン……(笑)。
 ハマコの芝居は濃すぎて周りを見ていなくて、うざいんだが(笑)、それでもわたしはハマコ大好き。
 とゆー話をまたいずれ。

 とゆーことで、後日追記分。

 ショーを観ていちばん、どーしよーもなく、気になって仕方なかったことは。

 りらちゃんの胸の大きさ!!

 りらちゃん……衣装によって胸の大きさが「そこまで」チガウのは、まずいよ……。
 特に中詰めあたりの、紫のドレス。そのおっぱいの内容量は、ものすごいっすよ。いくらなんでも、そこまで詰めなくてもいいんじゃあ?
 女として、気持ちはわかるんだけどねえ。巨乳にしたいなら、全部の衣装に同じだけ細工をしなきゃだめだよー。谷間が見えそーなデザインになると、突然貧乳になるのは、いかがなものか。
 3列目にいたもんで、りらちゃんの胸の大きさの変化と、あばら骨にくらくらしてました。そっか、あばらか……。その昔見た、星奈のゆりちゃんのシックスブロックはすばらしかったなー……女でも腹筋って6つに割れるもんなんだ、と感心したもんだった。 

 りらちゃんとコム姫のカップルは、とてもかわいらしいです。お人形さんのよう。
 ただわたしは、コム姫にそーゆーものを求めていない人なので、目はスルーしていました。ごめんね、りらちゃん。
 コム姫はやっぱり、男たちと絡んでなんぼだなあ、と、スーツの男役を率いて現れたときに思いました。……まあ、それで単身絡む相手がかしげでは、これまた役者不足としか思えないんだがな……げふんげふん。

 と、ちんたら書こうとしていたら、文字数限界が。
 翌日につづく。


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