そして今日は、一万人の第九の練習日。
 今週、来週とも、2日連続第九の練習日だったりする。

 わたしは音楽の才能を持たずに生まれてきたが、そんなわたしでもふたつの合唱のレベルのちがいぐらいはわかる。
 日曜日に練習に行った某合唱団は、やっぱ一万人の第九の人々よりも、うまいわ。どちらも自分でお金を払って歌っている趣味の合唱団だけど、やっぱ一万人の方はことさら素人の集まりだよなー。なんせわたしが毎年参加してるくらいだもんなー。

 だから一万人は、こわくないの。へたでも、ぜんぜん。
 しかしもうひとつの方は……へただと、目立つなー。いやだなー。
 あらっちは歌がうまい。きんどーさんはふつーにうまい。
 そしてわたしひとりが、へたなのだ……。「音痴よね(笑)」と言われてしまう人間なのだ……。

 それでも、好きなんだけどな。
 歌うこと。

 こわかろうと、こわくなかろうと、とりあえずちょっとでもうまくなりたくて、練習するのだ。

「それで、昨日のポスターどうした? あたしはちゃんと貼ったよ!」
 あらっちは胸を張って言う。
 昨日の某合唱団での練習のおり、わたしたちも参加する第九コンサートのポスターを配布されたのだ。
 「ポスターは巻いてあってもただの紙です。ちゃんと貼って宣伝してくださいね」と言われた。
 ……貼ってないよ……。
 近所ならともかく、すげー遠い会場のコンサートだからなー。気軽に「いらっしゃい」とは言えない距離。
「弟に頼んで、男湯にも女湯にも貼ってもらったし、ないとは思うけど、チケットのことを聞かれたらどう答えるかも教えておいた」
 と言うあらっちの家はお風呂屋さん。
 そうか……あらの湯(仮名)では、脱衣場にベートーヴェンの顔が貼ってあるわけか……アカデミックだなー。
 わたしも親に言って、店に貼ってもらうかな。……恥ずかしいけどなー。

 なにが恥ずかしいって。
 んなもん貼ったら、親が宣伝しそうだ、コンサートをではなくて「娘が歌うんですよ!」なんてことを。
 わたしはへたっぴで、いちばん後ろでめだたないよーにこっそり歌っているだけだっつーの。
 つーか、「あんたの遺伝子を受け継いでいて、歌がうまいわけないだろーっ」てなもんだよ。

 お家が自営業ではないきんどーさんが、いちばんこまっていた。
「うちのトイレにでも貼ろうかな……」
「だめだよ、そんなんじゃ! 他の人も見るとこに貼らなきゃ」
「そうそう。電柱とか貼りに行ったら?」
 こまるきんどーさんを見て、わたしとあらっちはさらに追いつめてみるのでした(笑)。

 一万人の第九、本番まではあとちょっと!
 某合唱団のコンサートは、宙組DCのころ!(そんなおぼえ方……)

 

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