母と娘の日常的な会話。
2002年11月11日 家族 母がきのこを採ってきた。
母は山女。
傍目からすれば「アンタおかしいよ」というくらいの、山オタク。
この世のすべての価値観の中心にあるのが「山」。
母を見ていると、「いくら好きでも、ものごとには限度があるよな」と自戒になるくらいの日々の暴走ぶり。
そんな母は、今日も山登り、明日も山登り。
んでもって、わたしが第九の練習に行くために自転車を取りに親の家まで行ったとき、ちょーど母は山から帰ってきたところだったようだ。
まだ着替えもせずに、茶の間で本を読んでいた。
きのこの本。
テーブルの上には、得体の知れないきのこがごろごろ。
「今日山で採ってきたの。食べられるかと思って」
母はご機嫌でそう言う。
……食べる? ちょっと待て、冗談でしょ。なんでそんな、得体の知れないモノを食べようなんて考えるの?
「だから今、調べてるのよ。種類さえわかれば安心して食べられるでしょ? わざわざこの本、買ってきたんだから」
そういう問題じゃないでしょ。
この飽食の時代に、食用としてお店に並んでいない種類のきのこなんて、食べられないか、食べてもおいしくないかのどちらかに決まってるっつーの!!
「あたしはこれから練習に出かけるから、ごはんは帰ってから食べるね」
つきあっていられないので、それだけ言い捨てて自転車に乗って家を出た。
マジ母は、あのきのこを食べるつもりなんだろうか。
晩ごはんはきのこ料理なんだろうか。
難関、フーガの練習をしながらも、わたしは不安にさいなまれる。
わたしは絶対食べない、口にしない。わたし個人の問題なら、それでいい。
しかし母は。
あの調子なら、絶対食べる。父にも食べさせるかもしれない。弟もだまされて口にするかもしれない。
どうしよう、毒きのこだったら……!!
腹を抱えて笑い続ける緑野家の人々が、救急車で運ばれる姿を想像。
もちろん、遠巻きにひそひそ話をするご近所さんたちの図付き。
うわあああ、いやだぁぁああ。
つーか母、山でなにか採ってくるのはよせと、あれほど言っているだろう!!
勝手に採ってくるのは泥棒だってばっ。この国のどこに所有者のいない土地があるというんだ、みんなどこかしらが権利を持っている私有地なんだぞ。そこにあるものを勝手に採取したらそれは、泥棒だってばーっ。
「**さんなんか、たけのこを採ったりしてるけど、あたしはしてないもん。あたしが採るのはワラビとかの山菜くらいのもんよ」
そーゆー問題じゃないってば。
中高年ハイカーのおそろしさ。集団で狩りに出るからなー。
母は狩猟民族タイプだから、きっと血がうずいてるんだと思う。獲物を狩りたくてしょーがないんだ。
わたしと母はまったく似ていないと思うのだが、母はわたしを見て「顔も性格もそっくり!」とおそろしいことを言う。
たしかに顔は似ているかもしれないが、性格はちがうってばーっ。
わたしはアナタほど攻撃的じゃないよーっ。
ああでもでも、前の職場に有名な「イタタ」なおねーさまがいた。彼女のものの考え方はすべてにおいて「自分中心」、身勝手を絵に描いたよーな人だった。
そのおねーさまが語るところの、おねーさまの母上様。これがまた、おねーさまそっくり!!
そっかー、おねーさまの性格の傍迷惑さや非常識さは遺伝だったのかー、と感心して聞いていたら。
「ほんとにうちの母ときたら、自分勝手で! アタシとは性格ぜんぜん似てない!!」
ぎゃふん!!
アンタら親子、そっくりですがな!!
と、ココロの手がハゲしくツッコミ入れましたがな!
そーゆー例があるからな。
ひょっとしてわたしと母は、ほんとは似ているのか、性格??
でもでも、わたしはあそこまでコワレてないぞ。コワレてないと思いたい……。
わたしはタカラヅカ大好き人間だけど、人生の価値のほとんどをタカラヅカだとは思ってないぞ。
例 「ねえねえこの服、すてきでしょ?」
母 「でもそんな服じゃあ、山では着られないわ、すぐに破れそう」
ツッコミ 誰が山の話をしている!!
例 「このスープ、おいしくない」
母 「山でならなんでもおいしいわ。空気がちがうもの」
ツッコミ 誰が山の話をしている!!
例 「**ってたのしくていいよね」
母 「山ほどたのしいものはないわ」
ツッコミ 誰が山の話をしている!!
例 たとえそれがどんな話であろうと、
母 「山はいいわ。どうしてみんな山に登らないのかしら。世の中の人って変ね」
ツッコミ 変なのはアンタだっ!!
わたしは少なくとも、「この服すてきでしょ?」と言われ、「タカラヅカではそんな服着られないわ」とは返さないわ。ちゃんとその服についての感想を言うわ。
スープの話をわざわざヅカにつなげたりしないし、とにかくなんの関係もない日常生活のあらゆる会話を、すべてヅカに関連づけて喋ったりはしないわ。
ヅカに興味のない人を、「変」だとは思わないわ。
わたしは母よりは常識的だと思う!
そうよね??
練習の帰りの電車の中で、携帯電話のチェックをした。
……母から電話が入っている。
練習中は音を切ってあったから、事なきを得た。
が。
家に帰ってもちろん怒る。
「ちょっと母、あたしはこれから第九の練習に行くって言って家を出たよね? なのになんで、その練習中に『今すぐごはん食べに来い』って電話かけてくるのよ!」
「あんたが家にいないなんて知らなかったもん!」
「これから練習に行くって言ったでしょ?」
「聞いてない」
「言った」
「いつ言った?」
「母がきのこの話してるとき」
「じゃあそんな話、聞いてるわけないじゃない、あたしはきのこの話してたんだから!」
勝ち誇って言うな!
つーか人の話を聞け。
自分の話しかしないんだから。
んで、問題の晩ごはん……。
きのこなの?
「あのきのこは、あきらめたわ。図鑑に載ってないんだもの」
母はしぶしぶ。
「だからっ、食べられないことぐらい、最初からわかってたでしょーに!」
「なんでわかるのよ? 調べてみないとわからないじゃない!」
「知らないきのこだってだけで、もうダメなのわかるでしょー?!」
「知らないから調べるんじゃない!」
世の中の母と娘は、どんな会話してるのかなあ。
ウチは、コミュニケーションに問題アリっす。
ママには微妙に日本語が通じません。
母は山女。
傍目からすれば「アンタおかしいよ」というくらいの、山オタク。
この世のすべての価値観の中心にあるのが「山」。
母を見ていると、「いくら好きでも、ものごとには限度があるよな」と自戒になるくらいの日々の暴走ぶり。
そんな母は、今日も山登り、明日も山登り。
んでもって、わたしが第九の練習に行くために自転車を取りに親の家まで行ったとき、ちょーど母は山から帰ってきたところだったようだ。
まだ着替えもせずに、茶の間で本を読んでいた。
きのこの本。
テーブルの上には、得体の知れないきのこがごろごろ。
「今日山で採ってきたの。食べられるかと思って」
母はご機嫌でそう言う。
……食べる? ちょっと待て、冗談でしょ。なんでそんな、得体の知れないモノを食べようなんて考えるの?
「だから今、調べてるのよ。種類さえわかれば安心して食べられるでしょ? わざわざこの本、買ってきたんだから」
そういう問題じゃないでしょ。
この飽食の時代に、食用としてお店に並んでいない種類のきのこなんて、食べられないか、食べてもおいしくないかのどちらかに決まってるっつーの!!
「あたしはこれから練習に出かけるから、ごはんは帰ってから食べるね」
つきあっていられないので、それだけ言い捨てて自転車に乗って家を出た。
マジ母は、あのきのこを食べるつもりなんだろうか。
晩ごはんはきのこ料理なんだろうか。
難関、フーガの練習をしながらも、わたしは不安にさいなまれる。
わたしは絶対食べない、口にしない。わたし個人の問題なら、それでいい。
しかし母は。
あの調子なら、絶対食べる。父にも食べさせるかもしれない。弟もだまされて口にするかもしれない。
どうしよう、毒きのこだったら……!!
腹を抱えて笑い続ける緑野家の人々が、救急車で運ばれる姿を想像。
もちろん、遠巻きにひそひそ話をするご近所さんたちの図付き。
うわあああ、いやだぁぁああ。
つーか母、山でなにか採ってくるのはよせと、あれほど言っているだろう!!
勝手に採ってくるのは泥棒だってばっ。この国のどこに所有者のいない土地があるというんだ、みんなどこかしらが権利を持っている私有地なんだぞ。そこにあるものを勝手に採取したらそれは、泥棒だってばーっ。
「**さんなんか、たけのこを採ったりしてるけど、あたしはしてないもん。あたしが採るのはワラビとかの山菜くらいのもんよ」
そーゆー問題じゃないってば。
中高年ハイカーのおそろしさ。集団で狩りに出るからなー。
母は狩猟民族タイプだから、きっと血がうずいてるんだと思う。獲物を狩りたくてしょーがないんだ。
わたしと母はまったく似ていないと思うのだが、母はわたしを見て「顔も性格もそっくり!」とおそろしいことを言う。
たしかに顔は似ているかもしれないが、性格はちがうってばーっ。
わたしはアナタほど攻撃的じゃないよーっ。
ああでもでも、前の職場に有名な「イタタ」なおねーさまがいた。彼女のものの考え方はすべてにおいて「自分中心」、身勝手を絵に描いたよーな人だった。
そのおねーさまが語るところの、おねーさまの母上様。これがまた、おねーさまそっくり!!
そっかー、おねーさまの性格の傍迷惑さや非常識さは遺伝だったのかー、と感心して聞いていたら。
「ほんとにうちの母ときたら、自分勝手で! アタシとは性格ぜんぜん似てない!!」
ぎゃふん!!
アンタら親子、そっくりですがな!!
と、ココロの手がハゲしくツッコミ入れましたがな!
そーゆー例があるからな。
ひょっとしてわたしと母は、ほんとは似ているのか、性格??
でもでも、わたしはあそこまでコワレてないぞ。コワレてないと思いたい……。
わたしはタカラヅカ大好き人間だけど、人生の価値のほとんどをタカラヅカだとは思ってないぞ。
例 「ねえねえこの服、すてきでしょ?」
母 「でもそんな服じゃあ、山では着られないわ、すぐに破れそう」
ツッコミ 誰が山の話をしている!!
例 「このスープ、おいしくない」
母 「山でならなんでもおいしいわ。空気がちがうもの」
ツッコミ 誰が山の話をしている!!
例 「**ってたのしくていいよね」
母 「山ほどたのしいものはないわ」
ツッコミ 誰が山の話をしている!!
例 たとえそれがどんな話であろうと、
母 「山はいいわ。どうしてみんな山に登らないのかしら。世の中の人って変ね」
ツッコミ 変なのはアンタだっ!!
わたしは少なくとも、「この服すてきでしょ?」と言われ、「タカラヅカではそんな服着られないわ」とは返さないわ。ちゃんとその服についての感想を言うわ。
スープの話をわざわざヅカにつなげたりしないし、とにかくなんの関係もない日常生活のあらゆる会話を、すべてヅカに関連づけて喋ったりはしないわ。
ヅカに興味のない人を、「変」だとは思わないわ。
わたしは母よりは常識的だと思う!
そうよね??
練習の帰りの電車の中で、携帯電話のチェックをした。
……母から電話が入っている。
練習中は音を切ってあったから、事なきを得た。
が。
家に帰ってもちろん怒る。
「ちょっと母、あたしはこれから第九の練習に行くって言って家を出たよね? なのになんで、その練習中に『今すぐごはん食べに来い』って電話かけてくるのよ!」
「あんたが家にいないなんて知らなかったもん!」
「これから練習に行くって言ったでしょ?」
「聞いてない」
「言った」
「いつ言った?」
「母がきのこの話してるとき」
「じゃあそんな話、聞いてるわけないじゃない、あたしはきのこの話してたんだから!」
勝ち誇って言うな!
つーか人の話を聞け。
自分の話しかしないんだから。
んで、問題の晩ごはん……。
きのこなの?
「あのきのこは、あきらめたわ。図鑑に載ってないんだもの」
母はしぶしぶ。
「だからっ、食べられないことぐらい、最初からわかってたでしょーに!」
「なんでわかるのよ? 調べてみないとわからないじゃない!」
「知らないきのこだってだけで、もうダメなのわかるでしょー?!」
「知らないから調べるんじゃない!」
世の中の母と娘は、どんな会話してるのかなあ。
ウチは、コミュニケーションに問題アリっす。
ママには微妙に日本語が通じません。
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