もしも願いが叶うなら。
2002年10月29日 ゲーム もしもわたしの前に魔法使いが現れて、願いを叶えてくれるなら、
「音楽の才能が欲しい」
と、言うだろう。
人間の持つ機能の中で、わたしにもっとも欠けているのは「音楽の才能」だと思う。
たしかにわたしは、本物の音痴ではない。
今まで生きてきて、本物の音痴というべきふたりの人に出会っている。彼らと比べれば、わたしは音痴ではない。
だけど、いっそ本物の音痴であれば、しあわせだったと思う。
何故ならば、わたしが過去に出会った彼らは、「自分が音痴であることに気づいていない」のだから。
音楽が聞き分けられない、というのは、持って生まれた身体機能だ。身体機能について言及するのは、ひととしてまちがっている。本人の努力とはべつのものだからだ。
真の音痴には、みんななにも言わない。わたしの知っている彼らは、自分が音痴であることに気づいていなかった。本人も音を聞き分けることができないし、周囲の者も誰ひとりそれを指摘しないためだ。……言えないよ、とてもじゃないが。そんなの本人のせいじゃないし。
だから、わたしの音痴はエセ音痴だ。
自分で自分の出す音が調子はずれなのがある程度はわかる、その程度の音痴だ。努力で矯正が可能な程度の音痴だ。
しかし。
しかし、な。
その努力ってのは半端なものじゃない。
ふつーの人が1回聴いたら歌える歌でも、わたしは10回20回と聴いて、えんえん練習しなければ歌えない。
日常生活で、誰がふつーの人の何十倍練習するよ、仕事でもないのに。
浜崎あゆみの歌をふつーの人程度に歌いたい、とか、それだけのことでひとりひそかにカラオケBOXに通い詰め、練習するなんてごめんだよ。ふつーにCDをたのしんで聴いて、特別な努力もなく恥をかかない程度のレベルで歌いたいよ。
ああ……音楽の才能が欲しかった。
それを職業にしたいとは思わない。ただ、人並みに音楽を楽しむことができる、それだけの能力が欲しかった。
努力しなきゃたのしめないなんて、努力しなきゃ恥をかくなんて、いやだ〜〜。
それにさ。
本物の音痴には、みんななにも言わないけど、わたし程度の音痴には言うもん、「音痴」って。
足の不自由な人が速く走れなくても「鈍足」とは言わないけど(言ったらひどい)、健常なのに速く走れなかったら「あいつ、足遅い〜〜」って笑うじゃん。
まあわたしは、体格良くてさも運動できます風なのに運動音痴でもあったんで、さんざんからかわれたりして生きてきたさ。
それと同じで、「努力で矯正可能」な音痴だから、言われつづけてきたさ、「緑野さんって音痴だよね」と。
あるいは、「英語の発音悪いよね」と。
その昔、演劇部にいたときは苦労したさ、アクセントができなくてな。耳で聞いた通りの音が出せないんだよ。本人は必死なんだけどな。
ふつーレベルの能力が欲しかった……。
と、またしても思うのは、『サイレントヒル』をプレイしていて「ピアノ」のイベントがありそうなのを知ったとき。
ピアノ? ピアノのイベントだと?
またかい。またしても、音楽イベントかいっ。
ゲームには、「音楽系」のイベントがちょくちょく存在する。
お手本のリズムに従ってボタンを押したりなんかは、かわいい方だ。
いちばんつらかったのは、『エコーナイト2』の楽譜を完成させるイベント。
音楽を聴いて、楽譜を書くんだ。
耳で音階を聴き分けるんだ。
ねえ。
ふつーの人って、音楽を聴くだけで、「あ、これはソだな。これはラの音」とか判断つくもんなの?
はじめて耳で聴くだけの音楽を、楽譜に書き起こしたりできるもんなの?
わたしにはできない。
ぼーぜんとしたよ。
楽譜の空欄を埋めなければならないと知ったとき。
しかも、お手本の音楽はいくつも前の部屋でしか聴けなくて、お手本を聴いてから何分も経ったあとで、記憶を頼りに楽譜を書かなければならないなんて。
どーしてもできなくて、そこだけ攻略本の答えを書き写したもん。
わたしの能力では無理。
『バイオハザード3』でもあったな。1階でオルゴールを聴いて、最上階で壊れたオルゴールの調律をするイベント。
ただしこれは、実際に音を聴きながら、正しい音を探すことができた。耳で狂った音を聴き分ける程度のことはできるからまだ、なんとかなった。
しかし、楽譜を書けって言われたらアウトだ。
音もなしに、記憶の中の音楽を音符になんかできないよー。楽譜なんかわかんないよー。
おびえましたとも、『静岡』のピアノイベント。
実際には音が高いか低いかを当てるだけのイベントだったから、わたしでもできたけど。
音楽の才能が欲しい……。
「音楽の才能が欲しい」
と、言うだろう。
人間の持つ機能の中で、わたしにもっとも欠けているのは「音楽の才能」だと思う。
たしかにわたしは、本物の音痴ではない。
今まで生きてきて、本物の音痴というべきふたりの人に出会っている。彼らと比べれば、わたしは音痴ではない。
だけど、いっそ本物の音痴であれば、しあわせだったと思う。
何故ならば、わたしが過去に出会った彼らは、「自分が音痴であることに気づいていない」のだから。
音楽が聞き分けられない、というのは、持って生まれた身体機能だ。身体機能について言及するのは、ひととしてまちがっている。本人の努力とはべつのものだからだ。
真の音痴には、みんななにも言わない。わたしの知っている彼らは、自分が音痴であることに気づいていなかった。本人も音を聞き分けることができないし、周囲の者も誰ひとりそれを指摘しないためだ。……言えないよ、とてもじゃないが。そんなの本人のせいじゃないし。
だから、わたしの音痴はエセ音痴だ。
自分で自分の出す音が調子はずれなのがある程度はわかる、その程度の音痴だ。努力で矯正が可能な程度の音痴だ。
しかし。
しかし、な。
その努力ってのは半端なものじゃない。
ふつーの人が1回聴いたら歌える歌でも、わたしは10回20回と聴いて、えんえん練習しなければ歌えない。
日常生活で、誰がふつーの人の何十倍練習するよ、仕事でもないのに。
浜崎あゆみの歌をふつーの人程度に歌いたい、とか、それだけのことでひとりひそかにカラオケBOXに通い詰め、練習するなんてごめんだよ。ふつーにCDをたのしんで聴いて、特別な努力もなく恥をかかない程度のレベルで歌いたいよ。
ああ……音楽の才能が欲しかった。
それを職業にしたいとは思わない。ただ、人並みに音楽を楽しむことができる、それだけの能力が欲しかった。
努力しなきゃたのしめないなんて、努力しなきゃ恥をかくなんて、いやだ〜〜。
それにさ。
本物の音痴には、みんななにも言わないけど、わたし程度の音痴には言うもん、「音痴」って。
足の不自由な人が速く走れなくても「鈍足」とは言わないけど(言ったらひどい)、健常なのに速く走れなかったら「あいつ、足遅い〜〜」って笑うじゃん。
まあわたしは、体格良くてさも運動できます風なのに運動音痴でもあったんで、さんざんからかわれたりして生きてきたさ。
それと同じで、「努力で矯正可能」な音痴だから、言われつづけてきたさ、「緑野さんって音痴だよね」と。
あるいは、「英語の発音悪いよね」と。
その昔、演劇部にいたときは苦労したさ、アクセントができなくてな。耳で聞いた通りの音が出せないんだよ。本人は必死なんだけどな。
ふつーレベルの能力が欲しかった……。
と、またしても思うのは、『サイレントヒル』をプレイしていて「ピアノ」のイベントがありそうなのを知ったとき。
ピアノ? ピアノのイベントだと?
またかい。またしても、音楽イベントかいっ。
ゲームには、「音楽系」のイベントがちょくちょく存在する。
お手本のリズムに従ってボタンを押したりなんかは、かわいい方だ。
いちばんつらかったのは、『エコーナイト2』の楽譜を完成させるイベント。
音楽を聴いて、楽譜を書くんだ。
耳で音階を聴き分けるんだ。
ねえ。
ふつーの人って、音楽を聴くだけで、「あ、これはソだな。これはラの音」とか判断つくもんなの?
はじめて耳で聴くだけの音楽を、楽譜に書き起こしたりできるもんなの?
わたしにはできない。
ぼーぜんとしたよ。
楽譜の空欄を埋めなければならないと知ったとき。
しかも、お手本の音楽はいくつも前の部屋でしか聴けなくて、お手本を聴いてから何分も経ったあとで、記憶を頼りに楽譜を書かなければならないなんて。
どーしてもできなくて、そこだけ攻略本の答えを書き写したもん。
わたしの能力では無理。
『バイオハザード3』でもあったな。1階でオルゴールを聴いて、最上階で壊れたオルゴールの調律をするイベント。
ただしこれは、実際に音を聴きながら、正しい音を探すことができた。耳で狂った音を聴き分ける程度のことはできるからまだ、なんとかなった。
しかし、楽譜を書けって言われたらアウトだ。
音もなしに、記憶の中の音楽を音符になんかできないよー。楽譜なんかわかんないよー。
おびえましたとも、『静岡』のピアノイベント。
実際には音が高いか低いかを当てるだけのイベントだったから、わたしでもできたけど。
音楽の才能が欲しい……。
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