いろんな意味でサムい……。@ホップスコッチ
2002年10月22日 タカラヅカ また風邪がぶり返してきている模様。
出かけたあとは寝込む日々。トシのせいか、どんどん虚弱になるなあ。花新公のサバキ待ちはあきらめるナリよ。
☆
んでもって、雪バウの話。
昨日は雪バウでした、はい。
先に見ていたデイジーちゃんとキティちゃんがそりゃーもー、ものすごい言いっぷりでしたのよ。
「『フィガロ』を超えた駄作!」
ほほお、あの水くんの『フィガロ』以上っつったらそりゃ、すごいなあ。
「星バウ以上の駄作!!」
なんと、かよまとの『ヴィンター・ガルテン』以上となっ?! それは極限に挑戦した駄作??
ある意味たのしみかもしれない。
まず、サバキの多さにびっくり。なんだこりゃ。わたし、長くヅカファンやってるけど、バウでここまでのサバキの嵐、久々に見たよ。チケット発売法が変更になってからははじめてだ。扇状態、前補助さえなかなか売れない。
平日だからかと思ったが、前日の日曜日もデイジーちゃんたち曰く、同じ扇状態だったらしい。
実際の空席の多さにもおどろいた。
わたしの観た回は、客のうち20人以上はタカラジェンヌ。またしても生かっしーを見た。かっしー観劇好きだから、ほんとに高確率で遭遇する。
そしてカメラが入っていたので、カメラの近所の席ははじめからつぶしてある。販売ナシ。
20人以上は関係者で、カメラ席が設けてあって、たった500人の劇場で、そのくせあの空席ぶり……?
ポスターに貼ってある「満員御礼」、の文字がむなしい……。
月曜日の午前の部を観て、ロビーに降りれば、これまたサバキの嵐。買い手はほとんどいないなか、売り手だけが両手にチケットを持って立っている。人がおらず、閑散とした感じがさみしい。
が、建物の外にだけ人の気配。なんと、楽屋出を待つ人垣ができてました。バウは午後も公演あるんだよ? なのになんで出待ちしてるの? と、思いきや。
そーなんだ、客席に来ていたジェンヌが楽屋出して来るのを待っているんだよ、みんな。
……それも、すごくさみしい光景だ。公演は午後もあるんだよ、観てやれよー、公演してないジェンヌにだけ興味示さないでさぁ。
と言いつつわたしも、午後を観ることなくとっとと帰ったけどな。
太田先生のコメディ『ホップスコッチ』。
はっきり言うと駄作だ。
しかしなー。
『フィガロ』と比べるのはまだしも、『ヴィンター・ガルテン』と比べるのはどうかと思うよ。
『ヴィンター・ガルテン』と『ホップスコッチ』、どちらが駄作かというと、わたしは断然『ヴィンター・ガルテン』だと思う。
だって『ヴィンター・ガルテン』はぶっこわれまくってて物語になってなかったけど、『ホップスコッチ』はこわれてなかったもん。
『ホップスコッチ』はべつに、こわれてない。
たんに、つまんないの。
時間の無駄ってくらい、つまんない。寝てていいよ、って舞台から言われている感じ。
物語としての構成を見れば、『ホップスコッチ』は正常だよ。計算式は合ってる。
でもな、どんなに正しい計算でも、つまらなかったら意味ないよなー、というどーでもいい作品になってる。
作りが短編小説なんだよね。文庫でいうなら20ページくらいで「あはは」と罪なく読ませちゃうよーな。
問題はその20ページのネタ一発勝負の短編小説を、大河ドラマ枠に持ってきたこと。
1時間の単発ドラマならよかったのに、1年かけて日曜の8時から連続で流します、っていったら、そりゃ間がもたねーわ。
間がもたないぶん、意味のないシーンを増やしたり、ひとつのシーンをだらだら引き延ばしたりしたわけな。ははは、そりゃー見てらんないだろーなー。
大昔のアニメ『キャプテン翼』なんかすごかったよ。リメイクされた最近のやつじゃなくて、昔のやつね。アレなんか、テレビアニメが原作に追いついてしまってたんで、原作を抜かしてしまわないよう牛歩するしかなかった。シュート1本に15分くらいかかったりするんだよなー。主人公がシュートを打った、それがゴールに入るまで、15分。滞空時間15分のシュートってなんだそりゃ。しかもCMはさんで、また打つ瞬間から流し直したりな。
ちょっと前にあった、三谷幸喜の連続ドラマで法廷物があったよね。役所広司主演の。あれなんかも2時間スペシャルのネタを3ヶ月かけてやったもんだから、水増しにつぐ水増しで、ものすごいこわれ方だった。
料理方法をまちがえちゃいかんよ。
ネタができたなら、それにふさわしい舞台を考えようよ。
『ホップスコッチ』は、1時間の1幕物ならOKだと思うよ、わたしゃ。
3人の主人公が3回同じことを繰り返すわけだが、それを同時進行で見せてしまえばいいわけだからな。ところどころ同時に台詞を言わせてみたり。
場の流れをぶった切る長すぎるショーシーンもカットして、テンポ命でシャキシャキすすめましょう。1時間で十分。
で、2幕目はショーにしてくれ。あの3人のショーなら、それだけでうれしいぞ。
だって3人も主人公がいて、あの男たち誰ひとり人格持ってないでしょ?
ただのコマなんだよね? ギャグをやるための。
人格ない主人公で、どうやって2時間2幕物の芝居にしようなんて考えたんだ、太田せんせ?
わたしはもともと太田作品はだめなんだよねー。
脚本家の遊川和彦がだめなのと同じくらいだめだわ。
太田作品がだめだと自覚したのは、『ブルボンの封印』を観たとき。
あまりのコワレっぷりに、はじめて演出家の名前をチェックした。こいつ正気か? と。
以後、彼の大劇作品をつづけて観て、確信しました、わたしにとって植田以上の鬼門、と(笑)。
太田のコメディは、ただただ疲れる。笑いよりも、疲労の方が濃い。
だって彼の作品って、ナレーション命なんだもん。台詞でも演技でもなく、ナレーションですすめるんだもん。
太田作品でいちばん嫌いなのは、「と、」。
ふつーの芝居では存在しない「と、」があるから嫌い。
「『あっはっはっ』と、そのときは場の雰囲気につられてついつい笑ってしまったが、じつはちっともわかってなんかいなかった」
「『ちょっと待ってくれ!』と、そのときぼくは言った」
「『そうだ!』と、突然天啓のようにひらめくものがあった」
『 』の部分が本来の台詞で、「と、」以降はナレーションね。みんな自分で自分の台詞の後にナレーションをつけるのさ。
それって、ものすごくかっこわるくない?
「と、そのときは場の雰囲気につられてついつい笑ってしまったが、じつはちっともわかってなんかいなかった」と言わないで、ふつーに「あっはっはっ」と笑わせるだけでそれを表現するのが芝居ってもんじゃないのか?
キャラの行動や心情、その場面の解説、すべてキャラが自分で喋る。
観客には想像の余地がない。与えられる言葉の洪水を受け止め続けるだけで息切れする。なにもかも説明つきさ。キャラが何故そう言ったのか、そう行動したのか。ここがどこで、なにをしているところか、なにもかもナレーション。
太田コメディをはじめて観たのは、ミユさんの『アロー・アロー・キャメロット?』だったんだが……あのときもものすごい疲労感に襲われたな。これまた見事なナレーション芝居。「と、」がいっぱい。
チャー様が美しかったことと、ヒナちゃんの歌声がすばらしかったことぐらいしか収穫はナシ。
それでも『アリスの招待状』はたのしんだが……今でもタカネくんの長すぎるナレーション芝居はビデオを早送りしてしまうよ……だって退屈なんだもん(タカネくんのせいではない)。
チャー様ファンのBe-Puちゃん曰く「太田を一生恨んでいいですか」の『トム・ジョーンズの冒険』は、ひたすらチャー様が痛々しかったし、きれいなだけのあさこがもったいないし、つーかもともとこの芝居主役なんていないよね、てな大勢でわいわいやるだけの落ち着きのない話だったし。落ち着きがない=コメディみたいよね、太田せんせの感性では。
チャルさん主演の『フィガロ!』は、2番手の水くん演じるアントーニオが15分くらいしか出てこないのが変だしねえ。え、水くん2役やってたの? 嘘でしょ、わたし記憶にないわ。アレはチャルさんが主役だよねー。
それにしてもアントーニオはかっこよかったわ。水くんが主役だったらよかったのに。
劇団は何故、太田氏に未だに現役でいさせるのかなあ。まあ、植田氏が現役なんだからなんでもアリだろーけどさー。
生徒は大変だわ。
んでもって話戻って『ホップスコッチ』。
わたしはそれでも主演3人のファンだから、彼らを観ている、という事実においてのみたのしいんだけどねー。
太田ギャグが笑えないのはいつものことなので、客席のサムいのなんの。
ジェンヌが20人もいたから、局地的に笑いは起こってたけど。そりゃそーだよね、自分の会社の同僚が舞台に出てりゃあ、なにやってもウケるよね。我が子なら歩いているだけでも狂喜乱舞する親みたいなもんで。
しらけている一般客と、段上がりセンター席でつまんないことにも大ウケしているジェンヌさんたちとの、温度差がつらい。
それでも好きだから応援するぞー。がんばれ出演者。
出かけたあとは寝込む日々。トシのせいか、どんどん虚弱になるなあ。花新公のサバキ待ちはあきらめるナリよ。
☆
んでもって、雪バウの話。
昨日は雪バウでした、はい。
先に見ていたデイジーちゃんとキティちゃんがそりゃーもー、ものすごい言いっぷりでしたのよ。
「『フィガロ』を超えた駄作!」
ほほお、あの水くんの『フィガロ』以上っつったらそりゃ、すごいなあ。
「星バウ以上の駄作!!」
なんと、かよまとの『ヴィンター・ガルテン』以上となっ?! それは極限に挑戦した駄作??
ある意味たのしみかもしれない。
まず、サバキの多さにびっくり。なんだこりゃ。わたし、長くヅカファンやってるけど、バウでここまでのサバキの嵐、久々に見たよ。チケット発売法が変更になってからははじめてだ。扇状態、前補助さえなかなか売れない。
平日だからかと思ったが、前日の日曜日もデイジーちゃんたち曰く、同じ扇状態だったらしい。
実際の空席の多さにもおどろいた。
わたしの観た回は、客のうち20人以上はタカラジェンヌ。またしても生かっしーを見た。かっしー観劇好きだから、ほんとに高確率で遭遇する。
そしてカメラが入っていたので、カメラの近所の席ははじめからつぶしてある。販売ナシ。
20人以上は関係者で、カメラ席が設けてあって、たった500人の劇場で、そのくせあの空席ぶり……?
ポスターに貼ってある「満員御礼」、の文字がむなしい……。
月曜日の午前の部を観て、ロビーに降りれば、これまたサバキの嵐。買い手はほとんどいないなか、売り手だけが両手にチケットを持って立っている。人がおらず、閑散とした感じがさみしい。
が、建物の外にだけ人の気配。なんと、楽屋出を待つ人垣ができてました。バウは午後も公演あるんだよ? なのになんで出待ちしてるの? と、思いきや。
そーなんだ、客席に来ていたジェンヌが楽屋出して来るのを待っているんだよ、みんな。
……それも、すごくさみしい光景だ。公演は午後もあるんだよ、観てやれよー、公演してないジェンヌにだけ興味示さないでさぁ。
と言いつつわたしも、午後を観ることなくとっとと帰ったけどな。
太田先生のコメディ『ホップスコッチ』。
はっきり言うと駄作だ。
しかしなー。
『フィガロ』と比べるのはまだしも、『ヴィンター・ガルテン』と比べるのはどうかと思うよ。
『ヴィンター・ガルテン』と『ホップスコッチ』、どちらが駄作かというと、わたしは断然『ヴィンター・ガルテン』だと思う。
だって『ヴィンター・ガルテン』はぶっこわれまくってて物語になってなかったけど、『ホップスコッチ』はこわれてなかったもん。
『ホップスコッチ』はべつに、こわれてない。
たんに、つまんないの。
時間の無駄ってくらい、つまんない。寝てていいよ、って舞台から言われている感じ。
物語としての構成を見れば、『ホップスコッチ』は正常だよ。計算式は合ってる。
でもな、どんなに正しい計算でも、つまらなかったら意味ないよなー、というどーでもいい作品になってる。
作りが短編小説なんだよね。文庫でいうなら20ページくらいで「あはは」と罪なく読ませちゃうよーな。
問題はその20ページのネタ一発勝負の短編小説を、大河ドラマ枠に持ってきたこと。
1時間の単発ドラマならよかったのに、1年かけて日曜の8時から連続で流します、っていったら、そりゃ間がもたねーわ。
間がもたないぶん、意味のないシーンを増やしたり、ひとつのシーンをだらだら引き延ばしたりしたわけな。ははは、そりゃー見てらんないだろーなー。
大昔のアニメ『キャプテン翼』なんかすごかったよ。リメイクされた最近のやつじゃなくて、昔のやつね。アレなんか、テレビアニメが原作に追いついてしまってたんで、原作を抜かしてしまわないよう牛歩するしかなかった。シュート1本に15分くらいかかったりするんだよなー。主人公がシュートを打った、それがゴールに入るまで、15分。滞空時間15分のシュートってなんだそりゃ。しかもCMはさんで、また打つ瞬間から流し直したりな。
ちょっと前にあった、三谷幸喜の連続ドラマで法廷物があったよね。役所広司主演の。あれなんかも2時間スペシャルのネタを3ヶ月かけてやったもんだから、水増しにつぐ水増しで、ものすごいこわれ方だった。
料理方法をまちがえちゃいかんよ。
ネタができたなら、それにふさわしい舞台を考えようよ。
『ホップスコッチ』は、1時間の1幕物ならOKだと思うよ、わたしゃ。
3人の主人公が3回同じことを繰り返すわけだが、それを同時進行で見せてしまえばいいわけだからな。ところどころ同時に台詞を言わせてみたり。
場の流れをぶった切る長すぎるショーシーンもカットして、テンポ命でシャキシャキすすめましょう。1時間で十分。
で、2幕目はショーにしてくれ。あの3人のショーなら、それだけでうれしいぞ。
だって3人も主人公がいて、あの男たち誰ひとり人格持ってないでしょ?
ただのコマなんだよね? ギャグをやるための。
人格ない主人公で、どうやって2時間2幕物の芝居にしようなんて考えたんだ、太田せんせ?
わたしはもともと太田作品はだめなんだよねー。
脚本家の遊川和彦がだめなのと同じくらいだめだわ。
太田作品がだめだと自覚したのは、『ブルボンの封印』を観たとき。
あまりのコワレっぷりに、はじめて演出家の名前をチェックした。こいつ正気か? と。
以後、彼の大劇作品をつづけて観て、確信しました、わたしにとって植田以上の鬼門、と(笑)。
太田のコメディは、ただただ疲れる。笑いよりも、疲労の方が濃い。
だって彼の作品って、ナレーション命なんだもん。台詞でも演技でもなく、ナレーションですすめるんだもん。
太田作品でいちばん嫌いなのは、「と、」。
ふつーの芝居では存在しない「と、」があるから嫌い。
「『あっはっはっ』と、そのときは場の雰囲気につられてついつい笑ってしまったが、じつはちっともわかってなんかいなかった」
「『ちょっと待ってくれ!』と、そのときぼくは言った」
「『そうだ!』と、突然天啓のようにひらめくものがあった」
『 』の部分が本来の台詞で、「と、」以降はナレーションね。みんな自分で自分の台詞の後にナレーションをつけるのさ。
それって、ものすごくかっこわるくない?
「と、そのときは場の雰囲気につられてついつい笑ってしまったが、じつはちっともわかってなんかいなかった」と言わないで、ふつーに「あっはっはっ」と笑わせるだけでそれを表現するのが芝居ってもんじゃないのか?
キャラの行動や心情、その場面の解説、すべてキャラが自分で喋る。
観客には想像の余地がない。与えられる言葉の洪水を受け止め続けるだけで息切れする。なにもかも説明つきさ。キャラが何故そう言ったのか、そう行動したのか。ここがどこで、なにをしているところか、なにもかもナレーション。
太田コメディをはじめて観たのは、ミユさんの『アロー・アロー・キャメロット?』だったんだが……あのときもものすごい疲労感に襲われたな。これまた見事なナレーション芝居。「と、」がいっぱい。
チャー様が美しかったことと、ヒナちゃんの歌声がすばらしかったことぐらいしか収穫はナシ。
それでも『アリスの招待状』はたのしんだが……今でもタカネくんの長すぎるナレーション芝居はビデオを早送りしてしまうよ……だって退屈なんだもん(タカネくんのせいではない)。
チャー様ファンのBe-Puちゃん曰く「太田を一生恨んでいいですか」の『トム・ジョーンズの冒険』は、ひたすらチャー様が痛々しかったし、きれいなだけのあさこがもったいないし、つーかもともとこの芝居主役なんていないよね、てな大勢でわいわいやるだけの落ち着きのない話だったし。落ち着きがない=コメディみたいよね、太田せんせの感性では。
チャルさん主演の『フィガロ!』は、2番手の水くん演じるアントーニオが15分くらいしか出てこないのが変だしねえ。え、水くん2役やってたの? 嘘でしょ、わたし記憶にないわ。アレはチャルさんが主役だよねー。
それにしてもアントーニオはかっこよかったわ。水くんが主役だったらよかったのに。
劇団は何故、太田氏に未だに現役でいさせるのかなあ。まあ、植田氏が現役なんだからなんでもアリだろーけどさー。
生徒は大変だわ。
んでもって話戻って『ホップスコッチ』。
わたしはそれでも主演3人のファンだから、彼らを観ている、という事実においてのみたのしいんだけどねー。
太田ギャグが笑えないのはいつものことなので、客席のサムいのなんの。
ジェンヌが20人もいたから、局地的に笑いは起こってたけど。そりゃそーだよね、自分の会社の同僚が舞台に出てりゃあ、なにやってもウケるよね。我が子なら歩いているだけでも狂喜乱舞する親みたいなもんで。
しらけている一般客と、段上がりセンター席でつまんないことにも大ウケしているジェンヌさんたちとの、温度差がつらい。
それでも好きだから応援するぞー。がんばれ出演者。
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