べったべたなラブロマンス@花組エリザベート
2002年10月21日 タカラヅカ 『エリザベート』の話を書くはずが、キティちゃんのことで終わってしまった、昨日の日記(笑)。
それくらい印象的だったのよねえ。
WHITEちゃんとふたり『エリザ』を見終わったあと、近くの喫茶店に移動、雪バウを見終わったキティちゃんとデイジーちゃんに合流。
そこでわたしは、『エリザ』の感想を言おうとした。
「好きな人がトートをやってると、ものすごーく気持ちいいもんだねええ!!」
てゆーのが、わたしの感想第一声だったのさ。
そしたらキティちゃんが、
「え、緑野ちゃん、寿美礼ちゃん好きだったの?」
と言うもんだから、話がちがう方向へ行ってしまった。わたしが『エリザ』の感想を口にできたのはずいぶんあとだ。
全組のエリザを観たし、東宝の山口も内野も観たけどさー。
わたしが好きな役者がやっているトートを観たのは、はじめてだったんだ。
気持ちいい!!
トートってのはいい役だねええ。
堪能しましたさー。
わたし、春野トートはいちばん麻路トートに近かった気がした。
つまり、とても感情豊かだった。冷酷な死神ではあっても、クールではなかったってこと。
いっちゃんのクール全面のトートも、ずんちゃんのキレたトートも好きなんだけどね。
マリコさんのバカっぽいトート(失礼)も、あれはあれで愉快だったから、まさか寿美礼ちゃんのトートがソレ系だとは意外だけどたのしいかも。
今回、はじめて『エリザベート』を「ロマンスもの」として観ることができたの。
一目で恋に落ちた運命の男と女が、すれちがいや障害を乗り越えて結ばれる、とゆー、定番ロマンス。初恋だとなおヨシって感じ?
今回はもろソレ。
初恋の男と少女が、結ばれるまでの物語。
ほら、この間までやってた昼メロ『新・愛の嵐』よ。猛とひかるは運命の恋人同士。なのに金持ちの大河原に横恋慕され、ひかるは大河原と結婚。猛は一念発起して財を築いて帰還したのに、ひかるは「わたしは大河原の妻です。大河原を愛しています」と言って猛の愛を退ける。そのせいでまたまた起こる大波乱。
猛とひかるがくっつくのははじめからわかっているし、このふたりさえおとなしくくっついていればなんの問題もないのに、周囲の状況に流されやがるから問題が起こり、また大きくなる。
……それと同じ、人騒がせな大ロマンス。メロドラマ『エリザベート』(笑)。
とゆーのもだ。
おさトートがあまりにも情熱的で人間くさくて、表情豊かなゴーイングマイウェイ野郎だったからだ(笑)。
そしてみどりシシィがこれまた、かわいらしくもやわらかい、生身の女だったから。
死神ぢゃねーよ、あれ(笑)。
伝説の皇后ぢゃねーよ、あれ(笑)。
でも、愉快だ。
ふたりの出会い、シシィが綱渡りのロープから落ちて死にかけた、あのファースト・インプレッション。
ここでふたりははじめて出会い、互いに恋に落ちる。
落ちるのはトートだけじゃない。そりゃトートはもー笑えるくらい完璧にフォーリンラヴしてて観てて恥ずかしいくらいですが。
シシィも落ちてます。
この世に生還してすぐに、去っていく男の後ろ姿を追って言う。「待って!」と。
去っていくトートを追いかけようとする彼女。なんで? 恋、していたから。
冥界で黒天使バックに踊り狂わせながら、男と少女は恋の海にダイビング。トートは「掴みは完璧、オチたね、あの女。よっしゃあっ!」と拳握ってたのにさ。
シシィは他の男と結婚するとか言う。おいおいそりゃないだろう? 俺はなんなんだよ、遊ばれただけ? そりゃ逆ギレして迫っていくさ。
かなしいのは、エリザベートはただの人間で、冥界での恋を現世でおぼえていることができなかったんだ。しかも突然プロポーズしてきた男は夢の王子様……もとい皇帝様。年端もいかない娘がぽーっとなって当然だろう。
エリザベートは偉人でもなんでもない、生身の女に見えた。高貴かどうかもあやしいな。そのかわり、ふつーの恋愛ドラマに出てくるよーなふつーの美女に見えた。
初恋の男(トート)を変わらず愛しているとゆーのに、日常のトラブルに翻弄され、自分の気持ちがわからなくなっているヒロイン(エリザベート)。わたしには夫(フランツ)がいるのだから、夫と今の生活を守ることがわたしの生きる道よ。と、初恋の男を拒絶しつづける。
でもあんた、そんなこと言って夫より初恋の男を愛してるのが見え見えじゃん! わかってないのはあんたと周りの者だけで!!
と、視聴者全員ツッコミ。
ああ、なんてたのしい『エリザベート』。
シシィは最初にトートを恋しているから、あとはどうやって彼女が自分の気持ちに気づいていくかがポイントになる。
お花様のシシィを見ていたときは、「いつトートのことを愛するようになるのかしら」と思ってたけどさ。いわば足し算ね。0だった気持ちがいろんなことで加算され、100になったときにあの暗殺シーンにたどり着く、と。
みどりシシィは逆。引き算。最初にトートに会ったときに芽生えた恋心に、よけいなものがいっぱいついちゃって真実が見えなくなっているわけだから、いらないものを引いていって、0になったとき暗殺シーンにたどりつく。
お花様相手のトートは、とにかく強引に「ふつーそんなことやったら女は引くって(汗)」みたいなことをがんがんやる、迷惑ストーカー野郎。力尽くで女を振り向かせようという男っぽい人。
みどりシシィ相手のおさトートは反対に、策を弄してごちゃごちゃしている女性的な人。だってシシィはトートを愛してるのに、ふたりは恋人同士なのに、それに気づかずに不幸なまま生きているのよ。彼女を救うためには、真実に気づかせてやらなければならない。ってことで、いろいろ画策。
同じ演出なんだから、トートの行動は同じだよ。でも、相手の女の心がトートの元にあるかどうかで、行動の意味合いが変わってくるよねえ。
いやー、すばらしいわ、メロドラマって。
とゆーのも、みどりシシィ、樹里フランツのことカケラも愛してないよねー? 小娘が抱く「カンチガイ恋愛」なら見えたけどさ。
わーい王子様にコクられちゃった、ラッキー♪ てなもんか。フランツの言うこととか、まったく理解している風がないし。「自分のことだけで精一杯、義務を忘れている」年相応のふつーの女の子。
また樹里フランツも……これじゃあ、夢見がちなふつーの女の子にちゃんと恋してもらえないよー、てな、なさけなーい皇帝様だった。皇帝様であるという立派な外側にだけぽーっとなるけど、いざ中身はというと……。
樹里ちゃん、大好きなジェンヌさんだが今回はパス。見ていてかなしいほど、だめだめでした。樹里でこんなにだめなものをはじめて見た……なんでもできる人だと思っていたよ。
あさこルキーニは……。
Be-Puちゃんが前もって「あさこ最悪! ルキーニが出るたび夢から覚めるのよ、うき〜〜っ!!」と怒り狂っていたので、どんなにものすごいことになっているのかと思えば。
べつに。
可もなく不可もなく。
あんなもんじゃないですか? わたしは視界に入ってこなかったので、それでいいです。下手だったり嫌だったりすると視界に入ってきて世界をぶちこわすから。Be-Puちゃんにとってはこのラインまで達していたのね、あさこのだめだめ度。わたしがOKだったのは、それはひとえにわたしが俺様を好きなせい?
ルキーニってたしかにオイシイ役だけど、演じ方によってはただのナレーションになるのよね。わたしにとってのあさこルキーニは、ただのナレーションでした。
で、そのナレーション・ルキーニは断言してくれる。
「グランド・アモーレ! 偉大なる愛だ!!」
そう。偉大なるメロドラマ!!
おさトートGOGO!!
恋に一喜一憂。死神としての立場や仕事を忘れ、人間の女ひとりにふりまわされ、コワレきってますぜ旦那。
トート閣下の変人っぷりに、心がときめきます。
たしかに、コワレっぷりで言えば麻路トートもものすごかったです。あの人はもー、当時わたしは「一路トートのパロディ」と呼んでいたほどのコワレっぶり。
いっちゃんトートがクールで感情をほとんど表に出さない死神らしい死神なのに対し、マリコってば嘆くわ歓喜するわしゃしゃり出てきてパフォーマンスするわで、死神というより人間の変な人って感じで、ものすごく愉快だった。
トートがソレな上に歌がアレだから、星組『エリザベート』はわたしのなかで『エリザベート』には数えられていないんだが(すまん)、それでもあの愉快なトート様は好きだった。ひとりの人間(死神にあらず)として、好きだったよ。かわいい男だ。
麻路トートがバカでかわいくて好きだったから、やはりおバカなおさトートも好きよー。
しかもわたしは、寿美礼ちゃんの顔が好きなのだ。好みなのだ。あの顔でクールビューティを気取られたら、うきゃあ〜〜っ、オチます、墜ちますよ閣下!!
最初からおとなしく結ばれてりゃそれでいいのに、なまじ障害に身を任すもんだから、複数の国を巻き込んで栄枯盛衰の大騒ぎ物語に。
そうとも世紀の恋愛だ、国や王朝のひとつやふたつ、滅ぼしちまえ。ひかると猛だって他人不幸にしまくりさ!
それこそべったべたなラブロマンスの本懐ってもんよ、『エリザベート』(笑)!
それくらい印象的だったのよねえ。
WHITEちゃんとふたり『エリザ』を見終わったあと、近くの喫茶店に移動、雪バウを見終わったキティちゃんとデイジーちゃんに合流。
そこでわたしは、『エリザ』の感想を言おうとした。
「好きな人がトートをやってると、ものすごーく気持ちいいもんだねええ!!」
てゆーのが、わたしの感想第一声だったのさ。
そしたらキティちゃんが、
「え、緑野ちゃん、寿美礼ちゃん好きだったの?」
と言うもんだから、話がちがう方向へ行ってしまった。わたしが『エリザ』の感想を口にできたのはずいぶんあとだ。
全組のエリザを観たし、東宝の山口も内野も観たけどさー。
わたしが好きな役者がやっているトートを観たのは、はじめてだったんだ。
気持ちいい!!
トートってのはいい役だねええ。
堪能しましたさー。
わたし、春野トートはいちばん麻路トートに近かった気がした。
つまり、とても感情豊かだった。冷酷な死神ではあっても、クールではなかったってこと。
いっちゃんのクール全面のトートも、ずんちゃんのキレたトートも好きなんだけどね。
マリコさんのバカっぽいトート(失礼)も、あれはあれで愉快だったから、まさか寿美礼ちゃんのトートがソレ系だとは意外だけどたのしいかも。
今回、はじめて『エリザベート』を「ロマンスもの」として観ることができたの。
一目で恋に落ちた運命の男と女が、すれちがいや障害を乗り越えて結ばれる、とゆー、定番ロマンス。初恋だとなおヨシって感じ?
今回はもろソレ。
初恋の男と少女が、結ばれるまでの物語。
ほら、この間までやってた昼メロ『新・愛の嵐』よ。猛とひかるは運命の恋人同士。なのに金持ちの大河原に横恋慕され、ひかるは大河原と結婚。猛は一念発起して財を築いて帰還したのに、ひかるは「わたしは大河原の妻です。大河原を愛しています」と言って猛の愛を退ける。そのせいでまたまた起こる大波乱。
猛とひかるがくっつくのははじめからわかっているし、このふたりさえおとなしくくっついていればなんの問題もないのに、周囲の状況に流されやがるから問題が起こり、また大きくなる。
……それと同じ、人騒がせな大ロマンス。メロドラマ『エリザベート』(笑)。
とゆーのもだ。
おさトートがあまりにも情熱的で人間くさくて、表情豊かなゴーイングマイウェイ野郎だったからだ(笑)。
そしてみどりシシィがこれまた、かわいらしくもやわらかい、生身の女だったから。
死神ぢゃねーよ、あれ(笑)。
伝説の皇后ぢゃねーよ、あれ(笑)。
でも、愉快だ。
ふたりの出会い、シシィが綱渡りのロープから落ちて死にかけた、あのファースト・インプレッション。
ここでふたりははじめて出会い、互いに恋に落ちる。
落ちるのはトートだけじゃない。そりゃトートはもー笑えるくらい完璧にフォーリンラヴしてて観てて恥ずかしいくらいですが。
シシィも落ちてます。
この世に生還してすぐに、去っていく男の後ろ姿を追って言う。「待って!」と。
去っていくトートを追いかけようとする彼女。なんで? 恋、していたから。
冥界で黒天使バックに踊り狂わせながら、男と少女は恋の海にダイビング。トートは「掴みは完璧、オチたね、あの女。よっしゃあっ!」と拳握ってたのにさ。
シシィは他の男と結婚するとか言う。おいおいそりゃないだろう? 俺はなんなんだよ、遊ばれただけ? そりゃ逆ギレして迫っていくさ。
かなしいのは、エリザベートはただの人間で、冥界での恋を現世でおぼえていることができなかったんだ。しかも突然プロポーズしてきた男は夢の王子様……もとい皇帝様。年端もいかない娘がぽーっとなって当然だろう。
エリザベートは偉人でもなんでもない、生身の女に見えた。高貴かどうかもあやしいな。そのかわり、ふつーの恋愛ドラマに出てくるよーなふつーの美女に見えた。
初恋の男(トート)を変わらず愛しているとゆーのに、日常のトラブルに翻弄され、自分の気持ちがわからなくなっているヒロイン(エリザベート)。わたしには夫(フランツ)がいるのだから、夫と今の生活を守ることがわたしの生きる道よ。と、初恋の男を拒絶しつづける。
でもあんた、そんなこと言って夫より初恋の男を愛してるのが見え見えじゃん! わかってないのはあんたと周りの者だけで!!
と、視聴者全員ツッコミ。
ああ、なんてたのしい『エリザベート』。
シシィは最初にトートを恋しているから、あとはどうやって彼女が自分の気持ちに気づいていくかがポイントになる。
お花様のシシィを見ていたときは、「いつトートのことを愛するようになるのかしら」と思ってたけどさ。いわば足し算ね。0だった気持ちがいろんなことで加算され、100になったときにあの暗殺シーンにたどり着く、と。
みどりシシィは逆。引き算。最初にトートに会ったときに芽生えた恋心に、よけいなものがいっぱいついちゃって真実が見えなくなっているわけだから、いらないものを引いていって、0になったとき暗殺シーンにたどりつく。
お花様相手のトートは、とにかく強引に「ふつーそんなことやったら女は引くって(汗)」みたいなことをがんがんやる、迷惑ストーカー野郎。力尽くで女を振り向かせようという男っぽい人。
みどりシシィ相手のおさトートは反対に、策を弄してごちゃごちゃしている女性的な人。だってシシィはトートを愛してるのに、ふたりは恋人同士なのに、それに気づかずに不幸なまま生きているのよ。彼女を救うためには、真実に気づかせてやらなければならない。ってことで、いろいろ画策。
同じ演出なんだから、トートの行動は同じだよ。でも、相手の女の心がトートの元にあるかどうかで、行動の意味合いが変わってくるよねえ。
いやー、すばらしいわ、メロドラマって。
とゆーのも、みどりシシィ、樹里フランツのことカケラも愛してないよねー? 小娘が抱く「カンチガイ恋愛」なら見えたけどさ。
わーい王子様にコクられちゃった、ラッキー♪ てなもんか。フランツの言うこととか、まったく理解している風がないし。「自分のことだけで精一杯、義務を忘れている」年相応のふつーの女の子。
また樹里フランツも……これじゃあ、夢見がちなふつーの女の子にちゃんと恋してもらえないよー、てな、なさけなーい皇帝様だった。皇帝様であるという立派な外側にだけぽーっとなるけど、いざ中身はというと……。
樹里ちゃん、大好きなジェンヌさんだが今回はパス。見ていてかなしいほど、だめだめでした。樹里でこんなにだめなものをはじめて見た……なんでもできる人だと思っていたよ。
あさこルキーニは……。
Be-Puちゃんが前もって「あさこ最悪! ルキーニが出るたび夢から覚めるのよ、うき〜〜っ!!」と怒り狂っていたので、どんなにものすごいことになっているのかと思えば。
べつに。
可もなく不可もなく。
あんなもんじゃないですか? わたしは視界に入ってこなかったので、それでいいです。下手だったり嫌だったりすると視界に入ってきて世界をぶちこわすから。Be-Puちゃんにとってはこのラインまで達していたのね、あさこのだめだめ度。わたしがOKだったのは、それはひとえにわたしが俺様を好きなせい?
ルキーニってたしかにオイシイ役だけど、演じ方によってはただのナレーションになるのよね。わたしにとってのあさこルキーニは、ただのナレーションでした。
で、そのナレーション・ルキーニは断言してくれる。
「グランド・アモーレ! 偉大なる愛だ!!」
そう。偉大なるメロドラマ!!
おさトートGOGO!!
恋に一喜一憂。死神としての立場や仕事を忘れ、人間の女ひとりにふりまわされ、コワレきってますぜ旦那。
トート閣下の変人っぷりに、心がときめきます。
たしかに、コワレっぷりで言えば麻路トートもものすごかったです。あの人はもー、当時わたしは「一路トートのパロディ」と呼んでいたほどのコワレっぶり。
いっちゃんトートがクールで感情をほとんど表に出さない死神らしい死神なのに対し、マリコってば嘆くわ歓喜するわしゃしゃり出てきてパフォーマンスするわで、死神というより人間の変な人って感じで、ものすごく愉快だった。
トートがソレな上に歌がアレだから、星組『エリザベート』はわたしのなかで『エリザベート』には数えられていないんだが(すまん)、それでもあの愉快なトート様は好きだった。ひとりの人間(死神にあらず)として、好きだったよ。かわいい男だ。
麻路トートがバカでかわいくて好きだったから、やはりおバカなおさトートも好きよー。
しかもわたしは、寿美礼ちゃんの顔が好きなのだ。好みなのだ。あの顔でクールビューティを気取られたら、うきゃあ〜〜っ、オチます、墜ちますよ閣下!!
最初からおとなしく結ばれてりゃそれでいいのに、なまじ障害に身を任すもんだから、複数の国を巻き込んで栄枯盛衰の大騒ぎ物語に。
そうとも世紀の恋愛だ、国や王朝のひとつやふたつ、滅ぼしちまえ。ひかると猛だって他人不幸にしまくりさ!
それこそべったべたなラブロマンスの本懐ってもんよ、『エリザベート』(笑)!
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