トイレの鍵。

2002年8月26日
 かなり久しぶりに、トイレの鍵を閉めた。

 祖父の三回忌だったのよね。
 親戚やらなんやら、ささやかに集まっていたので、トイレに入ったわたしは「あっ、そうか」と思って鍵を閉めた。

 ひとり暮らしですから。
 トイレに鍵をかける習慣がありませんでした。

 つーか、トイレのドアはいつもわずかばかり開けておくのが癖になってるし。
 全部閉めちゃうと、猫がうるさいのよ。「おねーちゃんの気配がするのに、姿が見えない!」てなもんで、鳴きわめいたり、ドアをがりがり引っ掻いたりする。
 とりあえずほんの少し、中がのぞける程度に開けておくと、納得するらしい。「ここにいるのね」って感じにのぞくだけのぞいて行ってしまう。
 そのときの気分なのか、「中へ入れろ」とドアの隙間に前足をつっこんでじたばたしたりもする。トイレのドア、重いから自分で開けられないらしい(風呂のドアは開けるくせに)。
 こちらからドアを開けてやると、中に入ってきて便器に坐っているわたしの周りを一周して出ていく。なにがしたいんだか。
 そしてごくたまに、坐っているわたしの膝に乗って、寝てしまったりする。

 トイレ使用中、むき出しの太股の上に猫……。

 客観的に見ると、これほどまぬけな姿もないが。
 それでも、うちのバカ猫はかわいいのである。世界でいちばんかわいい猫なのである。
 たぶん、猫に飼われている人間たちは全員、同じ想いのハズだ。

 そして、祖父の三回忌。
 お坊さんがお経をあげているその最中に、猫はあたりまえの顔をして、仏壇の上に飛び乗った……。

 じーちゃん、ばーちゃん。
 我が家には猫がいるよ。
 じーちゃんばーちゃんが生きていたころと変わらずにね。

 

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