おどろいたこと。

 ネットの月組大劇芝居『長い春の果てに』の公演感想をいくつか読んでみた。
 ……ケロって、出番少ないの?
 もったいない使われ方で、やりがいのない役なの? さららん以下の役の大きさなの?

 びっくり。
 ふつーの人の印象はそうなんだ。

 出てくる時間が短いからか?
 私生活が一切描かれず、熱血記者してる部分しか描かれていないからか?

 いやあ、わたしケロファンだけど、そんなことカケラも思わなかったよ。

 ワタ×ケロに萌えてて、そんなこと考えてるヒマなかったって(笑)。

 つーかさ。
 ふつーの人って、不自由だなと思うのよ。
 悪徳医師ワタルが突然善人に変身しちゃう、あのドアホウなシナリオを、どう理解するの?
 だってあまりにも変な展開だよね。
 人間が生き方を変えるには、理由が必要よ。「物語」なんだからね。「不治の病」だと知ったから善人になった、って、そんな薄っぺらい理由を理由にするなら、石田先生と同レベルよ?
 人が死ねば感動ですか。
 んじゃ、なんでもかんでも殺しなよ。視聴率が落ちてきたら、てきとーなキャラを殺してお涙ちょうだい、ほら感動。
 それと同列の理由ね。「不治の病だから改心」。
 死は感動だから、改心なのよー、てか。
 わたしはワタル医師の死にはなんの感動もなかった。
 だって、「死」で感動させるなら、彼が改心するに至る過程を描くべきでしょう。その手間を一切省き、「死ぬんだから、泣いてね」と言われても、顎が落ちるだけさ。
 さて、ワタル医師が突然別人格になった理由を、ふつーの人ならばどう納得するんだ? 「不治の病だから改心」なんておめでたいことを考えない、ふつーの人は、ただ怒るだけじゃないの?
 バカにすんじゃないわよっ、って。
 怒る前にあきれて終わりかな。どーせ石田だし、こんなもんか、って?
 それとも、ワタル医師は突然宇宙人にさらわれ、円盤から降ろされたときには人格が変わっていました、とか、そんな理由でも見つけて納得するんだろうか。

 その点わたしはオタクなので、とっても簡単だ。
 「ワタル医師は、ケロ新聞記者の愛で、改心した」。
 伏線として、ワタル医師が愛にも物質にも恵まれない少年時代を過ごしたことが語られているよね。だから彼は、ちゃんとした「愛」があれば改心できる素質を持っている。うん、この伏線があるからこそ、「ケロの愛で」という物語が真実味を持つ。
 さららんの役がもう少し、ワタル医師に対して複雑な想いを持っている(あるいは表現している)ならば、この役はさららんでもよかったかもしれない。ってゆーか、さららんが女医だったら「物語」としての深みは増したと思うよ。腐女子的にはうれしくないけどな。
 しかし、さららんの役作りがアレである以上、ワタル医師の「悪人→善人」への変化は、それまでの彼の生活になかったものが加わったためだと確定できる。
 1(悪人)+x=3(善人)
 この数式から、xの値を求めよ。
 てことで、悪人時代にはそばにいなかった、ケロがこの場合のxになる。
 わかりやすいやね。

 ああ、腐女子でよかった。

 「不治の病だから改心」なんて、客をナメた物語にも、腹を立てることなくかえってたのしむことができて。

 そして、「ひとひとりの人生を変えるほどの愛」を捧げたであろー新聞記者の役をやっているケロを、「出番なくて可哀想」とか「あんなやりがいのない役でもったいない」とか思わずにすんで。

 ケロちゃん、とってもパッショネイトに新聞記者を演じてますぜ。
 社会の敵として糾弾していたはずの悪徳医師を、誠心誠意支えてますぜ。
 敵だったはずの男の苦しみに、顔をゆがめ、共に苦しんでますぜ。

 ……いい役じゃん。

 ショーの方は、短パン膝小僧と、あいかわらずぶ*いくな女役姿に目眩がしましたが。雪組時代から、ぶさ*くだよね……伝説の「ミラクルファイブ」でどれだけつらかったか……。
 女役がブーでも、大好きだよケロちゃん。

          ☆

 そして今日は宙組東宝発売日。
 いつもの場所へ行ったら、男の人が青いシートを広々と敷いて場所取りしていて、おどろいた。
 ついにこの穴場もダフ屋の魔の手がっ?!
 ……ヅカチケット目当てじゃなかったみたいだから、よかったよ。次にはいないだろうし。

 WHITEちゃんは宙組に並んだそのあとで、インテックスに向かって旅立ちました。
 元気なヤツだ……。

 

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