なにはともあれ、わたしはたのしんだ。@月組初日
2002年8月23日 タカラヅカ ああもう、どうしてくれよう。
うろたえました。おろおろ。
目からウロコが。
どうしよう。
行ってきました、月組初日。
期待なんかしてません。わたしの心はすでに星バウにとんでいました。
冬コミに本を出すことがあるとすれば、それはまちがいなく『ヴィンターガルテン』本でしょう。ロリコン医師の話なんてモノは、最初からアウト・オブ眼中でした。
だからとっても気を抜いて、「ゆーひの女装(笑)」というキワモノ見物の気持ちで行きました。
まさか。
まーさーか、萌えるなんてっ!!
芝居の幕が下りるなり、隣に坐ったかねすきさんが言いました。
「冬コミに本出すなら、わたしお金出しますよ」
かかかかねすきさん。なんてことを。
出すなら金だけでなく、原稿も出してください。描いてください。
いやあ、びっくりした。
油断していたし、それ以前にまず、夢にも思ったことのないカップリングだった。
まさか、こんな話になるとは。
最初、リカちゃんのあまりのプリチーさにおどろいた。
いい。いいっすよ、その髪型!! さらさらストレートの前髪アリ。かわいいっ。ハンサムっ。
スタイルいいよね。細いよね。隣にワタさんが立つともー、ふたりの体格差が美しいのよ。
ワタル×リカってのもいいなあ。そんなことをぼんやりと考えて、見ていたよ。
ええ。
問題のシーンまでは。
ワタルは悪徳医師。不幸な少年時代が災いして、悪の道へ走った人。とっても底の浅い、笑止な人。いやこれは、脚本のせいだけど。
でまあ、悪人のワタさんは、悪いことをしているわけだ。14歳のえみくらちゃんに振り回されている35歳(?)のおぼっちゃま医師リカちゃんの物語とは関係なく。
そのワタさんの悪事を、熱血新米医師さららんと、熱血新聞記者ケロが暴き、追いつめる。14歳のえみくらちゃんに振り回されている35歳(?)のおぼっちゃま医師リカちゃんの物語とは関係なくな。
そして、悪事の証拠を突きつけられたワタル医師は、かっこつけを放棄して「金でなんとかならないか」と正義の新聞記者ケロにすがる。
第1のびっくり。
ワタさん、ケロのジャケットの中に手、入れます。
なにすんだ、あんた?!
いやいや、金を無理矢理押しつけようとしただけなんだけど。
いきなりジャケットめくるなよ! びっくりしたよ、わたしゃ。
第2のびっくり。
ワタさん、ケロの肩掴んで揺さぶります。
ワタさんとケロちゃんだと、身長差いくつだ? かなりあるよな。ちなみに、体格差もすごいです。体育会系大男が、線の細い男にからんでます。
第3のびっくり。
ワタさん、ケロの腕の中で倒れます。
なんの伏線もなく、悪徳医師ワタルは不治の病で倒れるのです。正義の医師と記者に詰問されているときに、取り乱しついでに昏倒。……かっこわるいっす。突然すぎるから、なにかと思ったよ。
それも、ケロの腕の中……。
な、何故?!
あ、このときももちろん、14歳のえみくらちゃんに振り回されている35歳(?)のおぼっちゃま医師リカちゃんの物語とは関係ないです、ええ。
ワタル×ケロ?!
…………考えたこともなかった。
髪の毛一本ほどにも。
夢にも。
カケラにも。
ああなのに。
ワタル×ケロ!!
悪徳医師ワタルが取り乱し、正義の新聞記者ケロ相手に迫りだしたときから、わたしとかねすきさんは笑いをこらえるのに必死。
手は入れるわ、肩は抱くわ、挙げ句の果てに、倒れてケロに支えられるだとぅ?!
暗転の間際、悶絶死しそうになったよ、わたしゃ。
それだけでは終わらなかった。
次にこの悪徳医師ワタルが登場するときは、いきなり善人医師ワタルになっていた。
ええ。
人格が変わっておりました。
それについての説明は一切ありません。
ただ、不治の病のワタルくんは、突然いい人なのです。
弱る身体に鞭打って、自分の病気の研究をしていたそうです。自分はもう助からないけれど、次に同じ病気の人を治療するために、いわばモルモットになることを選んだわけです。
そしてワタさんがそんなことをやっている間も、14歳のえみくらちゃんに振り回されている35歳(?)のおぼっちゃま医師リカちゃんの物語はばたばたコミカルに進んでいます、はい。
このワタさんの病気が、実はえみくらちゃんの病気と同じだった、ってことではじめて、ワタさん側の物語と、リカちゃん側の物語はつながります。
…………ご都合主義にしか、見えません。
だってワタさん、突然善人になってるし。
そして、善人ワタルの横には何故か、正義の新聞記者ケロがいます。苦痛にうめくワタルを抱きかかえたりしてます。
ワタルが死んでありがたく解剖されるときも、あたりまえのよーに医師たちの間にケロがまざっています。
結論。
悪人ワタルを善人ワタルに変えたのは、ケロだ。
悪徳医師ワタルが何故突然、善人になったのか。
まったく説明されていないのよ。
んじゃ、描かれていない間になにかあったと考えるしか、ないでしょう。
じゃなにがあったって、そりゃ、倒れる前と後の「変化」って、ケロの存在しかないじゃん。正義の医師さららんもそりゃいるにはいるが、あの子はワタルが悪の権化のときからすでにそばにいたわけだから、「変わる」理由にはならない。
ケロと出会って、ワタルは変わった。
い、いったいそこに、どんなドラマが?!
わたしとかねすきさんの焦点は、そこだった。
もちろん、いちばん大きな答えは出ている。
悪徳医師ワタルは何故、善人に変身したか。
その理由は、「愛」。
新聞記者ケロと出会い、彼の愛によって、ワタルは変わったのだ。
問題は、その愛のカタチ(笑)だ。
ねえねえ、ケロって年齢設定いくつよ?
かねすきさんは、オヤジだっていうのよ。
「離婚を2回くらい経験してて、今も養育費を払い続けてるの。でも、子どもには会わせてもらえない、そんなオヤジが、若い悪徳医師に出会って、仕方なく支えてあげるのー」
り、離婚経験2回?
わたし、青年だと思って見てたんだけど。
トップ屋をめざしていたころ、勇み足でリカちゃんを傷つけてしまった過去を持つ、若い新聞記者。まだまだ駆け出しだから、理想に燃え正義に燃える。
髪型もストレートでこざっぱりと若めだし、声のトーンも若々しい。ケロちゃん、今回は若い役作りだなー、と思って見てた。オペラグラスで顔を見ちゃうと、やっぱり目の下にはクマがあってオヤジ顔なんだけど、「役」としては青年なんじゃないかな。さららんと同年代くらい、ケロちゃんの実年齢くらいの男。
若くて青い印象。
オヤジか若造かで、物語が変わってきます。
真実をプリーズ。
ケロ、青年なの? 中年なの?
ワタル×ケロの衝撃で、他のことはすべて吹っ飛んでしまった。
ああ、びっくりした。
芝居は……とりあえず、ヅカ初心者には見せたくないですな。ディープなヅカファンだけが楽しみましょう。
軽くて愉快な物語。リカちゃんをはじめ、登場人物すべてがかわいい。
石田芝居の特徴かな。たのしく笑って観て、あとにはなにも残らない。
1回観たら十分、2回は観たくない。もしもリピートかけたら、きっと嫌なところばかり目に付くようになるんだろうな。深く考えず、表面だけを楽しむべし。笑いを取る手段にしても、その場当たりというか、底の浅いセンスのないものが多いのも、特徴。
石田作品にはいつも、生理的に嫌なモノが詰め込まれているからなー。
石田作品の物語としての機能性の低さや、悪趣味さは周知のことだと思う。
だが、どんな作家にも良い面があるわけで、石田センセはキャスティングだけはうまいと思う。
この人に、こんなキャラを。ってやつな。
リカちゃんはかわいかったよ。ほんとに。えみくらちゃんも、彼女にしかできないだろこの役は、と思ったよ。ワタルの白衣、きりやんのツナギ、おばかで憎めないキャラのタニちゃんと、適材適所。
コウちゃんとゆーひに関しては、他に役がなかったんだから仕方ないと思っている。
コウちゃん、うまいのかな。うまいんだよね? でもどーしても外見についていけなかったよ、わたし。デカすぎる……カオが。そして、男役がわざわざ演じる意味がない役だと思ったよ。いい役なんだけどさ。たんに、「他に役がないから仕方ない」って消去法で決まった役に思えた。
ゆーひの役は、男役が演じることに意味を見つけることができる。コミカルな役だし、たくましさで笑いを取ってるし。弁護士にはカケラも見えなかったけどね……バカなアメリカ女……あの胸は詰め物だよね、ゆーひちゃん。
下級生に出番は少ないが、群衆芝居ではみんななにかしらやっている。にぎやかだなー。
ところでこのヒロインえみくらちゃん、いいのか? たしかにかわいいよ。すごくかわいいけど。
わたしには、「押しかけ厨」に見えた……。
脳内事実でシンデレラになりきって、一方的に嘘を付いてリカの家に押しかけ、居座る。
しかも親公認。親厨かいっ、と内心つっこんだよ。
ハッピーエンドでよかったね。一歩まちがうと、いろんな意味で犯罪な物語。
うろたえました。おろおろ。
目からウロコが。
どうしよう。
行ってきました、月組初日。
期待なんかしてません。わたしの心はすでに星バウにとんでいました。
冬コミに本を出すことがあるとすれば、それはまちがいなく『ヴィンターガルテン』本でしょう。ロリコン医師の話なんてモノは、最初からアウト・オブ眼中でした。
だからとっても気を抜いて、「ゆーひの女装(笑)」というキワモノ見物の気持ちで行きました。
まさか。
まーさーか、萌えるなんてっ!!
芝居の幕が下りるなり、隣に坐ったかねすきさんが言いました。
「冬コミに本出すなら、わたしお金出しますよ」
かかかかねすきさん。なんてことを。
出すなら金だけでなく、原稿も出してください。描いてください。
いやあ、びっくりした。
油断していたし、それ以前にまず、夢にも思ったことのないカップリングだった。
まさか、こんな話になるとは。
最初、リカちゃんのあまりのプリチーさにおどろいた。
いい。いいっすよ、その髪型!! さらさらストレートの前髪アリ。かわいいっ。ハンサムっ。
スタイルいいよね。細いよね。隣にワタさんが立つともー、ふたりの体格差が美しいのよ。
ワタル×リカってのもいいなあ。そんなことをぼんやりと考えて、見ていたよ。
ええ。
問題のシーンまでは。
ワタルは悪徳医師。不幸な少年時代が災いして、悪の道へ走った人。とっても底の浅い、笑止な人。いやこれは、脚本のせいだけど。
でまあ、悪人のワタさんは、悪いことをしているわけだ。14歳のえみくらちゃんに振り回されている35歳(?)のおぼっちゃま医師リカちゃんの物語とは関係なく。
そのワタさんの悪事を、熱血新米医師さららんと、熱血新聞記者ケロが暴き、追いつめる。14歳のえみくらちゃんに振り回されている35歳(?)のおぼっちゃま医師リカちゃんの物語とは関係なくな。
そして、悪事の証拠を突きつけられたワタル医師は、かっこつけを放棄して「金でなんとかならないか」と正義の新聞記者ケロにすがる。
第1のびっくり。
ワタさん、ケロのジャケットの中に手、入れます。
なにすんだ、あんた?!
いやいや、金を無理矢理押しつけようとしただけなんだけど。
いきなりジャケットめくるなよ! びっくりしたよ、わたしゃ。
第2のびっくり。
ワタさん、ケロの肩掴んで揺さぶります。
ワタさんとケロちゃんだと、身長差いくつだ? かなりあるよな。ちなみに、体格差もすごいです。体育会系大男が、線の細い男にからんでます。
第3のびっくり。
ワタさん、ケロの腕の中で倒れます。
なんの伏線もなく、悪徳医師ワタルは不治の病で倒れるのです。正義の医師と記者に詰問されているときに、取り乱しついでに昏倒。……かっこわるいっす。突然すぎるから、なにかと思ったよ。
それも、ケロの腕の中……。
な、何故?!
あ、このときももちろん、14歳のえみくらちゃんに振り回されている35歳(?)のおぼっちゃま医師リカちゃんの物語とは関係ないです、ええ。
ワタル×ケロ?!
…………考えたこともなかった。
髪の毛一本ほどにも。
夢にも。
カケラにも。
ああなのに。
ワタル×ケロ!!
悪徳医師ワタルが取り乱し、正義の新聞記者ケロ相手に迫りだしたときから、わたしとかねすきさんは笑いをこらえるのに必死。
手は入れるわ、肩は抱くわ、挙げ句の果てに、倒れてケロに支えられるだとぅ?!
暗転の間際、悶絶死しそうになったよ、わたしゃ。
それだけでは終わらなかった。
次にこの悪徳医師ワタルが登場するときは、いきなり善人医師ワタルになっていた。
ええ。
人格が変わっておりました。
それについての説明は一切ありません。
ただ、不治の病のワタルくんは、突然いい人なのです。
弱る身体に鞭打って、自分の病気の研究をしていたそうです。自分はもう助からないけれど、次に同じ病気の人を治療するために、いわばモルモットになることを選んだわけです。
そしてワタさんがそんなことをやっている間も、14歳のえみくらちゃんに振り回されている35歳(?)のおぼっちゃま医師リカちゃんの物語はばたばたコミカルに進んでいます、はい。
このワタさんの病気が、実はえみくらちゃんの病気と同じだった、ってことではじめて、ワタさん側の物語と、リカちゃん側の物語はつながります。
…………ご都合主義にしか、見えません。
だってワタさん、突然善人になってるし。
そして、善人ワタルの横には何故か、正義の新聞記者ケロがいます。苦痛にうめくワタルを抱きかかえたりしてます。
ワタルが死んでありがたく解剖されるときも、あたりまえのよーに医師たちの間にケロがまざっています。
結論。
悪人ワタルを善人ワタルに変えたのは、ケロだ。
悪徳医師ワタルが何故突然、善人になったのか。
まったく説明されていないのよ。
んじゃ、描かれていない間になにかあったと考えるしか、ないでしょう。
じゃなにがあったって、そりゃ、倒れる前と後の「変化」って、ケロの存在しかないじゃん。正義の医師さららんもそりゃいるにはいるが、あの子はワタルが悪の権化のときからすでにそばにいたわけだから、「変わる」理由にはならない。
ケロと出会って、ワタルは変わった。
い、いったいそこに、どんなドラマが?!
わたしとかねすきさんの焦点は、そこだった。
もちろん、いちばん大きな答えは出ている。
悪徳医師ワタルは何故、善人に変身したか。
その理由は、「愛」。
新聞記者ケロと出会い、彼の愛によって、ワタルは変わったのだ。
問題は、その愛のカタチ(笑)だ。
ねえねえ、ケロって年齢設定いくつよ?
かねすきさんは、オヤジだっていうのよ。
「離婚を2回くらい経験してて、今も養育費を払い続けてるの。でも、子どもには会わせてもらえない、そんなオヤジが、若い悪徳医師に出会って、仕方なく支えてあげるのー」
り、離婚経験2回?
わたし、青年だと思って見てたんだけど。
トップ屋をめざしていたころ、勇み足でリカちゃんを傷つけてしまった過去を持つ、若い新聞記者。まだまだ駆け出しだから、理想に燃え正義に燃える。
髪型もストレートでこざっぱりと若めだし、声のトーンも若々しい。ケロちゃん、今回は若い役作りだなー、と思って見てた。オペラグラスで顔を見ちゃうと、やっぱり目の下にはクマがあってオヤジ顔なんだけど、「役」としては青年なんじゃないかな。さららんと同年代くらい、ケロちゃんの実年齢くらいの男。
若くて青い印象。
オヤジか若造かで、物語が変わってきます。
真実をプリーズ。
ケロ、青年なの? 中年なの?
ワタル×ケロの衝撃で、他のことはすべて吹っ飛んでしまった。
ああ、びっくりした。
芝居は……とりあえず、ヅカ初心者には見せたくないですな。ディープなヅカファンだけが楽しみましょう。
軽くて愉快な物語。リカちゃんをはじめ、登場人物すべてがかわいい。
石田芝居の特徴かな。たのしく笑って観て、あとにはなにも残らない。
1回観たら十分、2回は観たくない。もしもリピートかけたら、きっと嫌なところばかり目に付くようになるんだろうな。深く考えず、表面だけを楽しむべし。笑いを取る手段にしても、その場当たりというか、底の浅いセンスのないものが多いのも、特徴。
石田作品にはいつも、生理的に嫌なモノが詰め込まれているからなー。
石田作品の物語としての機能性の低さや、悪趣味さは周知のことだと思う。
だが、どんな作家にも良い面があるわけで、石田センセはキャスティングだけはうまいと思う。
この人に、こんなキャラを。ってやつな。
リカちゃんはかわいかったよ。ほんとに。えみくらちゃんも、彼女にしかできないだろこの役は、と思ったよ。ワタルの白衣、きりやんのツナギ、おばかで憎めないキャラのタニちゃんと、適材適所。
コウちゃんとゆーひに関しては、他に役がなかったんだから仕方ないと思っている。
コウちゃん、うまいのかな。うまいんだよね? でもどーしても外見についていけなかったよ、わたし。デカすぎる……カオが。そして、男役がわざわざ演じる意味がない役だと思ったよ。いい役なんだけどさ。たんに、「他に役がないから仕方ない」って消去法で決まった役に思えた。
ゆーひの役は、男役が演じることに意味を見つけることができる。コミカルな役だし、たくましさで笑いを取ってるし。弁護士にはカケラも見えなかったけどね……バカなアメリカ女……あの胸は詰め物だよね、ゆーひちゃん。
下級生に出番は少ないが、群衆芝居ではみんななにかしらやっている。にぎやかだなー。
ところでこのヒロインえみくらちゃん、いいのか? たしかにかわいいよ。すごくかわいいけど。
わたしには、「押しかけ厨」に見えた……。
脳内事実でシンデレラになりきって、一方的に嘘を付いてリカの家に押しかけ、居座る。
しかも親公認。親厨かいっ、と内心つっこんだよ。
ハッピーエンドでよかったね。一歩まちがうと、いろんな意味で犯罪な物語。
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