多忙な1日。
 朝は月組の並び。
 昼はWHITEちゃんと映画。
 夜は学生時代からの友人たちと飲み会。

 月組のチケットは、まー、そこそこの手応え。
 とりあえず目標だった「新人公演」「千秋楽」「日付は問わないからとにかくなにがなんでも1列目」のチケットをGET。「レビュー記念日」のチケットは友会で当たってたんでそれでよし。
 でも、手放しでよろこべないのは、席がよくないからだ。1列目が1枚あるから、よしとするか……。

 ポピーちゃんは、ばりばりのゆーひファン。
 彼女の今回の目標は「1列目でゆーひを見る」。
 しかしくじ運のない彼女、弟まで動員したのに、総ハズレ状態。
 わたしが「1列目回そうか……?」と言ったら、「涙目+腰くだけ」状態だった……。
 レビュー記念日のチケットも、余ってるんだけど、行く? と聞いたら即答。いや、よかったよ、一緒に行ってくれる人がいて。さばくつもりだったからさ。
 よろこんでくれる人にチケットを回すことができて、わたしもうれしいっす。
 つーことで、月組はポピーちゃんと2回、並んで観ることに決定。あとは全部ひとりで観劇かな(って、何回観るつもりなんだ、わたし)。

 いつもの並びメンバーで昼過ぎまでだらだらしたあと、WHITEちゃんと『MIB2』を見に行く。
 駄作とそしられることの多いこの映画、わたしもWHITEちゃんも、じつはけっこー好きなのだ。
 あれほどクソミソに叩かれていた『1』を見て、「なんでー? おもしろいじゃん」と思ったさ。つーか、人様の感想を聞く前に観ていたから、たのしく見たあとで、みんながケナシまくっているのを聞いたり読んだりして、首をひねったもんだったよ。
 だから、前評判がどうあれ(今回もまた、評判悪いね……)『2』にも期待してたんだが。

 ……おもしろくなかった……。

 1の方がはじけてたっていうか、嘘とほんとの混ざり具合がよかったなあ、と。
 この現実社会で、あのメンバーたちが飄々と、今も宇宙人トラブルを解決しているんだと思うと、それだけでも愉快だった。そーゆーのもアリじゃん、と思った。
 さすがに2回目だと、その「ネタ勝ち」な面が薄れてしまうのかな。

 あと、期待してたんだけどなあ、主題歌のビデオクリップ!!
 『1』を見たのはたしか、今は亡き東映会館だったと思うんだが、本編がはじまる前にウィル・スミスのビデオクリップがあったのよー。
 最初はなにかと思ったよ。本編にしては、ただえんえんえんえん、歌って踊ってるだけだし、つーか街中踊ってるし、いつまでもただ歌って踊ってるし……。
 フルコーラス、5分間ほど、ただただ、主題歌のビデオクリップ見せられちゃったの。
 いやあ、アレにはおどろいた(笑)。
 で、それがよーやく終わったなと思ったら、やはり同じよーなノリの、『MIB』本編がはじまった……(笑)。
 この2連発には、ウケました。

 でも、今回はそれもなかったしな。ちぇっ。

 WHITEちゃんとは、映画を見たあとバーゲンを少々ひやかし、別れる。
 学生時代からつづいている友人たちとの飲み会へ。
 じつはWHITEちゃんも、同じ学生時代からの友人なんだが……。
 彼女はちょっと癖があるので、万人向けではない。つーか、「あ、その日は昼間WHITEちゃんと映画見てるのよ、んじゃWHITEちゃんもそのまま連れて行っていい?」と、幹事の子に聞いたら、断られたんだ。
「悪いけどWHITEちゃんは連れてこないで。飲み会のことはWHITEちゃんには内緒にしてね」と、言われた。
 だから内緒。
 ごめんね、WHITEちゃん。
 わたしはWHITEちゃんが好きだし、彼女のいいところをいっぱい知っているのだが、そうでない人がいるのは、もーしょーがないことだ。
 にしても、「来るなら緑野だけにして。WHITEちゃんは連れて来ないで」という人が何人もいる……。なんでこー、好き嫌いの別れるキャラクターかな、WHITEちゃんって。

 久しぶりに会う友人たちと、たのしく歓談。
 わたしは昨日から寝ていないのと、お昼にパスタを食べ過ぎたのがこたえて、ほとんど食欲ナシ。しょーがないので飲むだけ飲んでいたら、やっぱりあまり気分はよろしくない……健康第一だよなあ。
 結婚してしまったネコさんと、仕事が忙しいTAMAちゃんには、ほんとになかなか会えないんだ。今会ったら、次はいつ会えるのだろー?
 TAMAちゃんにはまた、コミケ会場で会えるかな? つーか、大阪で会えないのに、なんで東京でなら会えるんだ、TAMAちゃん?(笑)

 そーいやTAMAちゃん、わたしたち、東京駅の大丸のティールームで、「生涯一オタク」の誓いをたてたよね、おぼえてる?
 と、わたしが言ったら、彼女は本気でぽかんとしていた。
 やっぱり、おぼえてないなっ。
 あれはまだ、学生時代だっけ? 卒業してたっけ?
 それまでTAMAちゃんは、「友だちの友だち」程度の人だった。小さくて華奢できれいで、授業中に貧血で倒れてしまうよーな、「お嬢様」だった。
 その、わたしとはぜんぜんチガウ、いかにも繊細そーな彼女は、何故か外見に似合わずマンガが好きで、自分でもコツコツとイラストを描いていた。
 しかも、やおひ好きオタクのわたしとはちがい、彼女が好きなのは本格ファンタジー。やおひもパロディも理解できないが、あたたかく見守っている、という感じ。彼女の描くファンタジー・イラストも、彼女らしい繊細かつ緻密なもの。
 接点があるよーでなさそーなわたしたちは、あるときふたりだけでコミケに行った。他の友人たちがみんな都合が悪かったり、オタクを卒業してしまったりして、わたしたち以外にいなかったのだ。
 みんなみんな、いつか卒業する。マンガなんてオタクなんて、オトナになれないコドモが寄生しているだけのモノだ。……そんなふーに、周りの人たちは言っていた。
 だけどわたしは、きっと一生、この世界が好きだ。わたしは一度好きになったものは一生好きでいる。
 オトナになっても、ババアになっても、わたしは変わらない。
 ずっと、創作をつづけている。
 プロになれなくても。
 書き続けている。
 はじめてふたりっきりで旅行して、いろいろ話す機会があって。TAMAちゃんもまた、わたしと同じ想いでいることがわかったんだな。
「わたしは生涯オタクだよ。一生、描き続けるよ」
 TAMAちゃんは、はかなげに美しい顔に笑みを浮かべて、そう言ったんだ。

 「わたしたち、生涯オタクだよねっ」と、若き日のわたしたちは、誓い合ったのさ……。

 …………恥ずかしい話だがな。

 やっぱりTAMAちゃんは、カケラもおぼえてなかった。わたしがそのときの会話を説明しても、まだ首をひねっている。
 オトナになるって、こういうことだよな……。

「でもわたし、変わってないって。ちゃんと今もオタクだよ」
 と、TAMAちゃんは昔と変わらぬ美しい笑顔で言う。
 たしかに、年に一度はコミケに現れるね。
 でももうあなた、描いてないんでしょう? 描きたいとは思ってるのかもしれないけど、現実問題、描いてないよね?
 オトナになるって、こういうことだよな……。

 結局、今も現役バリバリでオタクなのは、わたしだけだ。
 子どものころからずっと書き続けて、そして、まがりなりにもそれを本業にしてしまった。
 ちっとも食えてないけどな。

 若いころってのはなんであんなに恥ずかしくて、そしてがむしゃらなんだろーね。
 ネコさん、TAMAちゃん、ミジンコくん、今回の幹事のミヤビンスキーくん、みんなみんな、変わっていくね。
 みんな確実に老けてるもんな。
 青かった時代を共に過ごした彼女たちと、わたしはずっと友だ…

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